「親知らず」は永久歯が生え揃った後、奥歯のさらに奥のスペースに生えてくる歯です。人によっては4本すべて生えたり、2本や3本しか生えなかったり、あるいは斜めや横を向いて生えてきたりする親知らずは、現代では口腔内にさまざまな問題を招く「トラブルメーカー」として認知されています。
そのため、「親知らずは抜くもの」と思っている方も少なくないと思いますが、すべての親知らずが抜歯の対象となるわけではありません。条件さえ整っていれば、むしろ親知らずを残しておいたほうがいい場合もあるのです。練馬区桜台の歯医者「太郎歯科桜台診療所」では、口腔内の状態やリスクなどをふまえたうえで診療方針をご提案しています。気になる親知らずがありましたら、当院へご相談ください。
現代人は食生活の変化にともなって顎のサイズが小さくなっているため、親知らずが生えるのに十分な顎の骨のスペースがなく、それがトラブルの原因になってしまうことが少なくありません。
親知らずによって歯並びが乱れてしまうと、歯と歯が重なった部分に食べカスが詰まりやすくなり、ブラッシングがしづらくなることがあります。こういったケースでは、虫歯や歯周病を招くリスクが高まるので抜歯をしたほうが賢明です。また、隣の歯とぶつかったり周囲の歯を押したりしている場合も、炎症や歯並びの乱れにつながることがあるので抜歯をするほうがよいでしょう。
親知らずは放っておいても生え方が改善することはありませんので、痛みや腫れ、歯並びの悪化などがあれば早めに対処しましょう。
抜く場合 | 抜かなくていい場合 |
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奥歯(親知らずの1本手前の歯=前から7番目の歯)は食いしばる際に大きな力がかかる歯であり、ブラッシングで汚れを落としにくい部分でもあることから、比較的失いやすい歯と言えるかもしれません。
この奥歯を失ってしまった場合、通常は入れ歯やインプラントでおぎなうのですが、親知らずが正しく生えている場合には、親知らずを1本手前の位置に移動させることで奥歯の機能を回復させることができます。これにより、治療費をインプラント治療の3分の1程度に抑えることが可能です。親知らずは「不要な歯」なわけではなく、症例や条件によっては活用することができるのです。
抜いた日は安静にする
歯を抜いた部分はかさぶたになりますが、それまでは血が出やすくなっています。アルコールの摂取や激しい運動、サウナ、長湯など、血行がよくなる行為は避けましょう。
抜いた部位は触らない
かさぶたが気になる場合でも、指や舌で過度に触らないようにしましょう。できたかさぶたを剥がしてしまうと、細菌に感染してしまう恐れがあります。
出血しやすい食べ物を避ける
硬い物や出血を促す刺激性が高い物を食べると、出血しやすくなります。抜歯後はやや柔らかい物や栄養補助食品を摂るのがおすすめです。
激しいうがいはしない
激しいうがいをしてしまうと、かさぶたができなくなってしまいます。また、かさぶたができても水圧で取れやすくなるので、抜歯後24時間は激しいうがいをしないでください。
出血はガーゼなどで抑える
出血が止まらない場合は、ガーゼや丸めたティッシュを30分ほど噛んでください。ほとんどの場合、出血はおさまりますが、長時間止まらない場合にはご相談ください。
くぼみの汚れはこまめに取る
親知らずが生えていた場所にできるくぼみには、食べカスが入りやすくなります。お水やお湯でゆすぐか、綿棒でかき出すなどしてこまめに汚れを取りましょう。
抜いた後のトラブルについて
下顎の親知らずを抜歯した際、「オトガイ神経麻痺」になってしまうケースがあります。滅多に起こらない偶発症ですが、神経が麻痺してしまうことで舌や唇の感覚障害が生じます。技術が高い歯医者さんでも起こり得るものであり、細心の注意を払っていてもまったくないトラブルとは言えません。当院では、事前に患者様にその旨をご説明し、相談のうえで治療します。